実戦

こんにちは河瀬です。

木曜日ですね。台風シーズンでちょっとずつ涼しくなっていきますね。

 

今回は僕の担当楽器のヴァイオリンについて。

ヴァイオリンを習いたいという方が将来的にどのような音楽生活を想像しているかは人それぞれですが、デュオ、トリオ、カルテット、クインテット等の室内楽、オーケストラへの参加に憧れていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

僕自身もヴァイオリンの生徒さんには、いつかそういった場面で演奏の楽しさを味わっていただく事を目標としています。

 

ただ、ヴァイオリンは構え方、弓の持ち方などが難しく、適切な音を出すだけでも苦労します。そこから、音程を覚えていく…という永遠に続く音程の道が待っています。

それ故、僕がアンサンブルを進めると、難しい曲が弾けるようになってきた方でさえ「もう少しうまくなったら…」と九割の方が仰います。

僕の生徒さんは皆様とても謙虚で真面目です。

 

お気持ちはとても分かります。

 

ですが、それでも僕がアンサンブルを勧めるのには理由があります。

それは、アンサンブルで理想的な音程感覚が身につくからです。

 

音程。おそらくヴァイオリンの先生が常に口にしている事。

音程。英語でインターバル。そう、音程とは間隔なのです。音と音の間隔なのです。相対的な音の高さの距離なのです。

ある音程をラと決めた時、初めてその他の音程が決まるのです。

絶対音を覚える事に対しては諸説ありますが、一つの音程だけを繰り返し訓練しても覚える事は難しいのです。

フレーズの前後の音、重音や伴奏の際に生じるその他の音に対してどのくらいの間隔なのかを覚える事が重要なのです。

そういった意味で、アンサンブルは音程が合っているのか間違っているのかが感覚として分かりやすいのです。

よく言うハモっている状態は人間の耳にとても快く感じ、外れている状態はその逆になります。

そして快い状態を覚えると音程が外れた際に正しい音程に直したくなり、体がその音程を探します。

これは弾いてもらった単旋律のフレーズの音に対して上だの下だのピアノを鳴らしながら直していくレッスンよりかなり効率的で理想的な音程の覚え方です。ですから僕は、下手ですが弾ける曲は簡単な伴奏をしますし、音程の確認の際は和音で音を聞いてもらっています。

話を上手く展開出来ないので結論になってしまいますが、これは常に一定の音程が出るデジタルの音やⅭⅮの音源に対して合わせるよりも人間が弾いた微妙に不安定な音程の方が効果があるのです。

先程も申し上げた通り、他の音程に対して快い(ハモっている)音程を早く探す事が重要になってくるので、常に全く同じ音程に対して練習をしても、いつもの音程がいつものパターンでやって来るだけなので、訓練でしかないのです。

対して実際のアンサンブルは相手が機械のような完璧な音程で弾いてくれる事がありません。当然こちらの方が合わせる難易度が上がります。

レッスンの時のように同じ音を伸ばして音を取る時間をくれる配慮も無いので一瞬で音程を訂正してその他の演奏要素をこなしていかなければなりません。常に実戦です。

そういった音程の実戦を楽しみながら覚える事が出来るのがアンサンブルなのです。

 

どうでしょう?なかなか頑張って書いたと思うのですが。伝わりましたでしょうか?

ちなみに今回は音程の話をかなり省略して書きましたが、リズムやその他の音楽的な課題に対しても同じように一人でレッスンをしているより効率的に覚える事が出来ます。

そしてこれは簡単な曲が弾ければすぐにでも実践出来るのです。皆様是非ともお近くの楽器が弾ける方とアンサンブルをしてみて下さい。

 

先日は大人の生徒さん二名でアンサンブルのレッスンをしました。

ご希望があれば、当教室内の生徒さんとアンサンブルのマッチングを致します。もちろん教室の生徒さんではないお友達とご一緒にお越しいただいても構いません。

 

それではまた次回。

岡崎市 ヴァイオリン教室
岡崎市 ヴァイオリン教室